菅義偉首相の「2050年温室効果ガス排出ゼロ宣言」やバイデン米大統領が主催した気候変動に関するオンライン首脳会合(気候変動サミット)の開催など、世界が「脱炭素社会」に向けて大きく動き始めた。地球の未来に希望はあるのか。実現のために求められるものは何か。著書「人新世の資本論」が話題の斎藤幸平・大阪市大准教授と地球温暖化の科学の第一人者、江守正多・国立環境研究所・地球システム領域副領域長が語り合った。  (聞き手・共同通信編集委員 井田徹治)

 ―脱炭素の機運が急激に高まっているが。

 江守 30年間、この問題...