平井伸治知事(右から2人目)に白ネギの被害状況を説明する吉岡大輔さん(同3人目)=米子市葭津
平井伸治知事(右から2人目)に白ネギの被害状況を説明する吉岡大輔さん(同3人目)=米子市葭津

 28日に積雪深40センチとなった米子市では、特産品の白ネギが雪に埋もれ、葉が折れて茎が割れる被害が相次いだ。葭津の農業吉岡大輔さん(47)は弓浜部の2ヘクタールで作付けし、年間生産量の1割を占める6トンが出荷間近だったが、規格外品や廃棄が増えそうで「予想はしていたものの、例年にない大きな被害だ」と肩を落とした。松江、安来両市では、野菜や花を栽培する農業用ハウス約50棟が倒壊し、JAしまねなどが状況確認を進めている。

 日本海側の広範囲で大雪となり、物流網の混乱は一部で続く。ヤマト運輸は25~27日午前の集荷受付を停止。30日時点でも山陰両県での集荷、配達が滞り、広報担当者は「いつ平常時に戻るかは分からない」と話した。山陰両県でスーパー24店舗を展開する丸合(米子市東福原2丁目)は鳥取県外からのパンや豆腐、野菜の入荷がなくなり、品薄となった。担当者によると、31日には納入が正常化する見通しという。

 食品製造業者も対応に追われた。製パン業のマツヤ神戸屋(松江市矢田町)は、配送できなくなった25日の生産分と仕入れ分を合わせた4割を廃棄せざるを得ず、26日までの2日間の損失は約200万円となった。製麺業なかたか(同)は出荷できなくなったそば2千食を27日、近隣の事業所に無償配布した。

 米子市皆生温泉4丁目で二つの旅館を経営する皆生グランドホテル(米子市皆生温泉4丁目)は25~29日、宿泊の予約取り消しで客数が2割減り、320万円の損失を出した。伊坂明社長は「宿泊施設は大雪への対策ができない」と諦めた。

 (取材班)