石見神楽の鬼に向かって豆をまく神職たち=島根県津和野町後田、太皷谷稲成神社
石見神楽の鬼に向かって豆をまく神職たち=島根県津和野町後田、太皷谷稲成神社

 【津和野、益田】島根県津和野町後田の太皷谷稲成神社で、恒例の節分祭があった。石見神楽の鬼に向かって神職たちが豆をまき、一年の無病息災を願った。

 角河(すみがわ)和幸(かずゆき)宮司が祝詞を奏上し、邪気を払い一年の幸福を招く「鬼やらい神事」が3年ぶりにあった。町石見神楽神星会のメンバーが鬼に扮(ふん)し、参列者ににらみをきかせた。神職らが豆を投げ、追い払うと、参列者は豆の入った袋を拾い集めた。山口市から訪れた春樋(はるひ)佳奈子さん(32)は「実家の商売繁盛と家族の健康を祈った」と話した。

 万葉歌人・柿本人麻呂をまつり、今年、1300年祭を迎える益田市高津町の高津柿本神社でも節分祭があり、3年ぶりに豆まき神事が行われ、参拝客が福豆に手を伸ばした。福豆3千袋を用意し、午前の部には地元住民や保育園児ら約200人が集った。

 同市横田町の無職澄川千代巳(ちよみ)さん(80)は「久しぶりのにぎわいで、うれしかった。一年間健康でいられるように家に帰って福豆を食べたい」と話した。

 (藤本ちあき、中山竜一)