最後の演目「大江山」を合同で上演する現役生とOB=島根県邑南町下田所、田所公民館
最後の演目「大江山」を合同で上演する現役生とOB=島根県邑南町下田所、田所公民館

 矢上高校(邑南町矢上)神楽愛好会の卒業公演が12日、邑南町下田所の田所公民館であった。現役生とOB有志が地域への感謝を胸に6演目を上演し、町内外から訪れた約500人を楽しませた。

 神楽愛好会は地元の神楽団で活動する生徒で構成。地域の神楽団から衣装を借り、助言を受けるなどしながら地域行事で上演している。卒業公演は毎年の恒例行事だが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い昨年中止しており、2年ぶりに開催。昨年できなかったOBも招いて開いた。

 公演は「熊襲(くまそ)」で幕開けし、「日本武尊(やまとたけるのみこと)」「土蜘蛛(つちぐも)」などを現役生とOBが交互に上演。最後は源頼光一行が酒呑童子(しゅてんどうじ)ら悪鬼を御神酒で酔わせて討ち取る物語「大江山」を合同で演じた。見応えある舞に観客から盛大な拍手が起こった。

 愛好会生徒代表の的場尋(ひいろ)さん(17)=3年=は「地域の方やOBに支えられてここまで活動してこられた」と感謝し、OBの石川楠奈人(ななと)さん(19)=広島市安佐南区=は「久しぶりのメンバーでやれて懐かしかった」と話した。

(糸賀淳也)