<短歌>

 ◇多伎町汐路短歌会(出雲市)

五十年想ひ出おぼろ接吻(くちづけ)の介護三年逝きて七年 後藤 元興

芹つみの土のなつかし田も変わりみどり整然ブロッコリーに 林  信子

櫻芽のはやふくらみて確実に年月廻るをたしかむる老 木村 悦子

雲低く灰色の空広がればどうだんつつじはまわりを照らす 山崎 律子

にぎやかに皆でかこみし母の味母は心も雑煮に込めて 和田 博子

マエストロ、プロパガンダと走り書く聞きし言葉の意味調べむと 石飛 恵美

庭隅に置きたる臼の手水鉢母と搗きたる...