病で幼い頃から車椅子で大学生活を送ってきた島根県立大人間文化学部の藤村光さん(22)が16日、卒業を迎えた。難病を患いながらも神社について学ぶサークルを立ち上げたり、海外研修に参加したりと学生生活を満喫。卒業生代表で謝辞を述べ、学友や教員に感謝を伝えた。
藤村さんは脊髄性筋萎縮症を患い、車椅子で過ごしている。謝辞では入学時、障がいがあることに「引け目を感じていた」と振り返りつつ、サークルの代表となりカフェを企画したことなどに触れ「自分のしたいことに挑戦してみると、自然と輪が広がり、1人ではないと思えた」とした。
4年間、教員や学友と対話を重ね「自分を知ることができた」と述べ、教員や学友に対し「感謝しかない。4年間を誇りに思い、社会に貢献できるよう精進する」と力強く話した。
卒業式後には学友らと笑顔で記念撮影。藤村さんは松江市内のデザイン会社に勤務する予定で、「今まで多くの人が支えてくださった。デザインで松江に恩返ししたい」と見据える。
ゼミの担当だった増原善之教授(59)は「自分自身に正面から向き合った4年間だったと思う。卒業後も何事にも正面から取り組んでほしい」と願った。
(古瀬弘治)













