読者の皆さんから、身近なテーマについてコメントを募り、山陰中央新報とSデジに掲載する「さんコメ!」。「子どもを生み、育てやすい社会とは?」に、たくさんの投稿をありがとうございました。紙面では紹介しきれなかった投稿と、記者の雑感を掲載していますので、お楽しみください。(かっこ内はペンネーム。内容は一部要約・編集しています)

 1、教育費にかかる費用を地域が保障してくれるといいです。子どもの成長とともに教育費にかかる費用に不安があります。地域の子が県外への進学を断念するという話を聞いたことも分かる気がします。例えば、大人になって何らかのかたちで地域に貢献するのを約束に小学校から国立大までの教育費を保障してくれるといいな。(働けど働けど)

 2、シニア世代が孫年齢との関わりを多くして、働き盛りの世代をサポートする。縁送り、恩返しではなく恩送りの社会をつくる。子は国の宝。忘れてはいけない言葉だと思います。(日日是好日)

公園の遊具で遊ぶ子ども(資料)

 3、昭和生まれの私は、女性は結婚して、子どもを生み育てる。それをごく自然なこと、そして「当たり前」のことのように考えていました。しかし、結婚を機に、他県から島根県へ来て、親族も友人もいない中での子育ては、想像以上に大変でした。今のように、パソコンや携帯電話もない時代。夫は仕事が忙しくて、なかなか援助も難しいようで。特に自分の体調が悪くなった時などは、元気な子どもを抱えて途方に暮れていました。私は専業主婦でしたが、昨今の方は皆さん仕事をしながらの子育ての方が多いと思います。育児中は、時間にも心にも、余裕のない方も多いと思います。少しだけでも預かってくれる人、場所などがあれば、どんなに救われるでしょう。とにかく、当時の私は、一人でゆっくり寝たい、一人でゆっくり食事したい、一人でゆっくりお風呂に入りたい…。毎日のようにそう思っていました。(240)

 4、私は子どもが育てやすかったとしても、なんとなく、おそらく産まない人生になりますが、産みたいと思う人がいるならば間接的にでも協力したいです。今日お店で見た子どもがマジックを披露してくれてうれしかったです。店主さんは少し作業を邪魔されて大変そうでした(汗)。私は第三者たがらこそ単純にかわいいと思えましたが、店主さんの立場だったらキツイかもしれません…。さて少子化。どこかで読んだのですが(おそらく養老孟司さん)確かはしょって言うと、システマチックな世の中で、子どもという制御不能なものは邪魔だから淘汰(とうた)されるというようなものだったと思います。なるほどと思いました。産みやすくするには、お金・時間・子どもが生まれた世界が平和などが必要と思います。子どもにかかるお金を無料に近くする(教育費)、休みが取りやすい、もしくは日々の就業時間をもっと短くする(時短勤務)。育児をしながら仕事をしている方、特に女性はほんとにすごいと思います。ですが、非正規で時短にされていたりと、仕事の質はすごく高いのになんだか不公平にも見えます。デンマークだったかどこだったか、時短だけど正社員と同じ境遇とかだと生活ももっと安定するだろうなと。今の政権のままでは安心して子どもが成長できるとは思いません。早く別のトップに変えたいので投票に行こうと思います。やはり原発を解体していく、地産地消を推進してほかの県よりも自分たちで自給できている県として、海外からの輸入に頼らない独自の生活圏を紡いでいくある意味先進地域になれれば、みんな安心して子育てできるのかなと思います。

 5、私は子どもを産み育てなかったから、このテーマに投稿していいのかなと思いましたが、書きます。大学4年の秋、梅田の道路脇で占いをしている人に呼び止められた。「あんたは子どもゴロゴロ、小銭ジャラジャラの人生」だと。その当時、仕事に夢を持ち、また、専門外にやりたい研究を持っていた。できなくなる! 親しくしていた男友達とは距離をとるようになり、ギグシャクした関係になっていった。それ以後、お見合いをしても何人子どもを産むのだろうと思い、一生独身を通した。おかげで、仕事も別の研究も思う存分できた。最近、名前を忘れたが、イギリスの女王に立派に国をまとめ、たくさんの子どもを産み育てた人がいたという話を聞いて、ばあやを雇ったら私もできたのではと思ったりする。早く気がついたらよかったのに、もう遅い。(ドルチェ)

 6、すごくいろいろ考えました。日本の戦時中戦後(私は知りませんが)、その頃も子どもはたくさん生まれていました。食料も生活もままらない状況です。今は、その頃を思えばとても優遇されているのではないかと思いました。国は異次元の少子化政策を考えているそうです(まだ考えの最中みたいです)。そして出産費用を増額したり育児休暇中の給料を上げたり…いろいろ案が出ています。私は昭和に子育てをしました。結婚すれば長男なら同居するのが当たり前、でも働きたかった私は子どもたちを義父義母に安心して預けて仕事へ行きました。(いろいろありましたけど)子どもを産み育てやすい世の中って何でしょうね。やはり、母親は働くなら安心して預けられる所があってこそだと思います。そしてわたしのようなしゅうとめもおおらかな気持ちで孫を見てやれる世の中が大切だと思います。

 7、両親の育児休暇プラス祖父母の育孫休暇が取れるようになったらいいなぁ~と思います。現在50代以上の方たちは、結婚すると親と同居することが多かったです。義父母や義理のきょうだいに子育て一緒にしてもらっていたからお嫁さんは気を使うことがあり大変だったけど、子育ては助かっていたと思います。でも今は、ほとんどの方が結婚すると完全に別居されます。また祖父母も年金受給の年齢が上がり孫がいても現役で働いておられるので、孫の世話がしにくいと思います。例えば娘さんやお嫁さん出産後4週間会社休んでしっかりお世話できるとか、孫の看病で前向きに会社が休めてたらいいなぁと思います。別居でも家族で助け合うことができたら、子どもが増えるかもしれません。(かわらなでしこ)

 8、地域で子どもを守り、育てていこうとする気持ちは大切だと思います。自身の経験から、周りの理解や支えは、前向きな大きな力につながっていくように思います。

水たまりに入って遊ぶ子ども(資料)

 9、私はまだ子育てをしたことがない学生ですが、将来子どもは複数人育てたいと思っています。アルバイトでいろんなご家庭と関わっていて思うことは、今の社会は親子ともゆとりのない家庭が多いということです。親は共働きで朝早くから夜遅くまで外で働いて家事に追われていることが多く、子どもは学校が終わると学童保育や習い事がありゆっくり友達と遊んだり、1人で過ごしたりする時間もありません。子どもがせめて中学生くらいになるまでは、時短勤務が長くできる環境になるといいなと思います。親も子もゆとりがあって初めて、子どもたちが健やかに成長できるのではないかと思います。(虹)

 10、私には8歳と5歳の子どもがいます。まだまだ絶賛子育て中ですが、今まで子育てをしてきた中で出産や育児が難しい社会だなと感じたことは一つだけでした。それは、育児と仕事との両立です。昔はお父さんが朝から夜遅くまで仕事をし、お母さんが育児をするといったような役割分担がありましたが、今は男性女性関係なく同じように仕事をし同じように子育てをします。しかし、出産は男性にはできません。どんどん女性が活躍の場を広げ、お母さんの出産・育児にかける時間は少なくなります。そうすると仕事と出産・育児をてんびんにかけた時にどちらを取るかという考え方になります。もちろん両方できるのであれば誰しもそうしています。ですが、今の時代も両立は無理に近いです。夫婦2人ではまず不可能です。運良く子育てを手伝ってくれる人が身近にいれば可能かもしれません。しかし、みんながみんなそうではありません。私自身も育児・子育てを経験してどれほど大変なことか、どれほど自分の時間を費やすのか身に染みて感じております。今の時代多種多様な生き方があり、人それぞれ自分の価値観、自分の人生があります。そうした中で少子化を止めるためには、国・企業・地方・地域が一体となってもっともっと子育てをしながら働きやすい環境を構築していくことだと思います。子どもが欲しいけどいろいろな理由で子どもを諦めている夫婦はたくさんいらっしゃると思います。その人たち一人一人から親身になって話を聞いて解決策を一緒に考えてほしいと思います。(全力パパさん)

 11、少子高齢化で、地域の役やPTAを兼任している方が多すぎです。そして次の役員が決まらず、辞められないです。子どもにとって地域のつながりは大事、だけど親は忙しく、地域行事に参加できないし、役員もしたくないのは当たり前です。役員負担を減らすために活動を絞る、地域の無償ボランティアを減らして有償ボランティアを増やす、長が付く役員さんに、時間給を出してシルバーセンターに頼んでもよいと思います。PTAを解体する所も多いですが、役員をすると知り合いが増えて、子育てしやすいです。PTAもお便りのテンプレートを配ったり、クラスメール送れる用にして、誰でも簡単にできるように変えてくれる事務の方がいると引き受けやすいと思います。(子宝)

 12、田舎ならではの子育ての難しさを感じます。嫁ぎ先の両親との関係や、近所、ママ友。夫の子育て無関心など、ストレスの原因になることが多い。なのに、ストレス発散をする時間も場所もない。おまけに、コロナで、あれこれ規制され、最近は物価高で生活苦。そんな中で子どもを育て行かなきゃならないのはつらいですね。

 13、田舎では、まだまだひとり親家庭に対して冷たさを感じます。「シングルはいいよね、何もしなくても手当がもらえるから」と言う人がいます。夫婦そろっていても生活するのに大変なのに、1人だけの収入と、わずかな手当で子どもを育てて行かなければならない。子どもに貧相な食事しか与えてやれない悔しさ、惨めさはシングルでないと分からない。もっとシングルに対して温かく見守ってくれる社会になってほしい。

 14、毎年、ゴールデンウイークや夏休みになると、子どもたちをどこへ連れて行こうか悩みます。県内には子ども向けの観光地が皆無と言っていい。だから毎回、県外まで出かけます。小さな子どもを連れての遠出は疲れるけど、保育園や学校で友達との会話から、わが子に惨めな思いをさせたくないとの親心。せめて県内に何カ所か、子ども向けの観光地、ちょっとした遊園地、アスレチックなどがあればよいのにと思います。

外でのびのび遊ぶ子ども(資料)

 15、コロナ感染拡大中、都会では休校中にタブレットを利用して各家庭で子どもたちが勉強をしていた。田舎では生徒一人一人にタブレットが用意できないのか、ただ自宅待機の状態が続きました。それによって学力に差がつくのではないかと不安に思いました。塾に通っている子はよいが、通いたくても行けない子だっている。その差は開くばかりではないか? 子どもたちの学びの世界で差が生じるのはよくないと考える。皆、平等に学べる社会であってほしいと思う。

 16、私は、経済的支援と協力があれば、子どもを産み、育てやすい社会になると思います。経済的支援は、大学院まで教育費無償化とか、育児休暇や子どもの病気で休んだときに、その職場の同僚に支援金が行けば、職場全体の育児に協力する気運が高まると思います。協力は、夫婦、親族、先生、地域の人たちみんなです! 子どものときに、楽しい地域の行事があったり、自分たちを大切にしてくれたという思いがあれば、その地域で子育てをしようと思うのではないでしょうか?!(やっこ)

 17、賃金の底上げと保育施設の充実、子どもにかかる費用の無償化でしょうか? 所得税を世帯の人数割にすると出生数が増えるのではないでしょうかね。学校の教育方法も考え直してほしい。子育ては田舎がよいとは思います。幸せはお互いの思いやりが必要ですね。

 18、去年、知り合いの生活保護のシングルマザーが子どもを残して自死。育児を手伝っていたが、無力感でやりきれない。島根県や市役所は彼女の死を省みて、各機関の連携を強化する、職員を増やすなど、困窮者や子育ての支援拡充をしてほしい。県議選立候補者に話したら「落ち着いたらまた伺います」とのこと。無力感が募る。(あじさい)
 

記者雑感

 2歳の長男を共働きで育てています。実家は夫婦ともに松江市外にあり、育児を頻繁に手伝ってもらえる環境ではありません。1歳になるまでの育児休業中、平日の昼間は二人きりで過ごすことがほとんどで、気持ちが張り詰めた状態が続いていました。

 ですが、新生児訪問の助産師さんから「他の人に抱っこされたわが子は、普段以上にかわいいよね」と言われたことに共感し、積極的に出かけるようになりました。近所の公民館のベビーマッサージ教室に通ったり、同じ時期に同じ病院で出産したお母さんたちとランチに出かけ、不安や悩みを話し合ったり。絶好の息抜きでした。

 家族以外にわが子をかわいがってくれる人や場所があることはとても心強く、育児に向き合う力になりました。子育て世帯を孤立させない地域づくりの大切さを実感しています。
 (担当記者)
 

次回テーマ「わが家の節約術」

 次回のテーマは「わが家の節約術」です。

 物価高騰で電気代や食料品も値上がりして、やりくりに苦しさを感じる人も多いのではないでしょうか。記者は最近、契約していた音楽のサブスクリプションを解約しました。小さなことでも節約のためにしていることがあれば教えてください。

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