宮本恭子氏
宮本恭子氏
宮原展子氏
宮原展子氏
宮本恭子氏
宮原展子氏

 読者の皆さんから、身近なテーマについて意見を募り、山陰中央新報とSデジに掲載する「さんコメ!」。「子どもを生み、育てやすい社会とは?」に、たくさんの投稿をありがとうございました。今回から「読者ふれあいページ」に掲載します。紙面では投稿の一部を紹介し、Sデジ(デジタル版)に全ての投稿と記者の雑感を掲載しています。(かっこ内はペンネーム。内容は一部要約・編集しています)

 

 ★教育費保障してほしい 教育にかかる費用を地域が保障してくれるといいです。子どもの成長とともに不安があります。大人になって何らかの形で地域に貢献するのを約束に、小学校から国立大までの教育費を保障してくれるといいな。(働けど働けど)

 

 ★合言葉は「子は国の宝」 シニア世代が孫世代との関わりを多くして、働き盛りの世代をサポートする。縁送り、恩返しではなく恩送りの社会をつくる。子は国の宝。忘れてはいけない言葉だと思います。(日日是好日)

 

 ★預かってくれる場所を 他県から島根県に嫁ぎ、親族も友人もいない中での子育ては想像以上に大変でした。夫は仕事が忙しく、自分の体調が悪い時は、元気な子どもを抱えて途方に暮れました。育児中は時間も心も、余裕のない方は多いはず。少しだけでも預かってくれる人、場所があれば、どんなに救われるでしょう。一人でゆっくり寝たい、食事したい、お風呂に入りたい。毎日のように思っていました。(240)

 

 ★育児中の働き方を改善 教育費を無料に近づけ、仕事は休みが取りやすく、もしくは日々の就業時間を短くする。育児しながら働いている方、特に女性は本当にすごいと思いますが、非正規雇用の時短勤務など、仕事の質は高いのに何だか不公平にも見えます。時短でも正社員と同じ待遇だと、生活ももっと安定するだろうなと思います。

 

 ★祖父母の育孫休暇創設 祖父母の育孫休暇が取れるといいなぁと思います。50代以上は結婚して親と同居することが多く、義父母や義理のきょうだいに一緒に子育てをしてもらい、お嫁さんは気を使って大変だったけど、助かっていました。でも今はほとんどの人が完全に別居。祖父母も年金受給の年齢が上がり、現役で働いているので、世話がしにくいです。娘や嫁の出産後4週間のお世話や、孫の看病で前向きに会社を休めたらと思います。(かわらなでしこ)

 

 ★職場の協力機運を醸成 経済的支援と協力があれば、子どもを生み、育てやすいと思います。大学院までの教育費無償化や、育児休暇や子どもの病気で休んだ時の同僚への支援金があれば、職場の育児に協力する機運が高まると思う。子どもの時に楽しい行事や、大切にしてくれたという思いがあったら、その地域で子育てをしようと思うのではないでしょうか。(やっこ)

 

 ★時短勤務が可能な世に まだ学生ですが、将来子どもは複数育てたいと思っています。アルバイトでいろんな家庭と関わり、親子ともにゆとりのない家庭が多いと感じます。親は共働きで朝早くから夜遅くまで働いて家事に追われ、子どもは学童保育や習い事で、ゆっくり友達と遊んだり、一人で過ごしたりする時間もありません。子どもがせめて中学生になるまでは、時短勤務ができたらいいと思います。親も子もゆとりがあって初めて、子どもが健やかに成長できるのではないかと思います。(虹)

 

 ★一体となって環境構築 8歳と5歳の子どもがいます。昔は父母で仕事と育児の役割分担がありましたが、今は男女関係なく同様に働き、子育てします。女性が活躍の場を広げ、仕事と出産・育児をてんびんにかけた時、両方できるなら誰しもそうしていますが、夫婦2人ではまず不可能です。子育てがどれほど大変か、自分の時間を費やすのか身に染みて感じています。少子化を止めるには、国・企業・地方・地域が一体となり、子育てをしながら働きやすい環境を構築していくことだと思います。(全力パパさん)

 

 ★シングルに温かい社会 田舎では、まだまだひとり親家庭に対する冷たさを感じます。「シングルはいいよね、何もしなくても手当がもらえるから」と言う人がいます。夫婦そろっていても生活が大変なのに、1人だけの収入と、わずかな手当で育てていかなければならない。子どもに貧相な食事しか与えてやれない悔しさ、惨めさは当事者でないと分からない。もっとシングルを温かく見守る社会になってほしい。

 

■島根大法文学部教授・宮本恭子さん 

男女中立や経済支援

 男性のように働く女性はある程度増えたが、少子化が進んだ。男性の育児休業取得など、男性の働き方を女性に近づけることを基盤に働き方を変える必要がある。ジェンダー中立を進めると、おのずと男女ともに働きやすく、家庭も円満に回る。

 もう一つは、親の所得や立場によらない、子どもが自立するまでの経済的支援だ。大学進学率は上がり、進学は当たり前になっている。家庭の事情で選択肢がなくなることは、子の未来を考えると望ましくない。高等教育まで体系的に支援する必要がある。

 

■いっしょに子育て研究所所長 宮原展子さん

視野広げること大切

 「パートナーは欲しいけど、子どもはいらない」「お母さんは大変そう」など、子育てに明るくない未来をイメージする若い世代がいる。今はそうでも、出会いによっては変わると思う。インターンシップ(就業体験)先の職場で赤ちゃんと触れ合ったり、育児を身近に見たりし、子どもを望む気持ちに自然とつながったらいい。

 小学校入学以降は、親も子も周囲と比べてしまうことがある。好きなことを伸ばし、その子らしさを見守る気持ちがあると、子どもは力を発揮でき、親も楽。親が視野を広げることが大切だ。

 

■次回のテーマ「わが家の節約術」

 次回のテーマは「わが家の節約術」です。

 物価高騰で電気代や食料品も値上がりして、やりくりに苦しさを感じる人も多いのではないでしょうか。記者は最近、契約していた音楽のサブスクリプションを解約しました。小さなことでも節約のためにしていることがあれば教えてください。

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