疾走する馬上から弓矢で的を射る「流鏑馬(やぶさめ)神事」が2日、島根県津和野町鷲原の鷲原八幡宮であった。ひらひらと舞う桜吹雪の中で繰り広げられる勇壮な時代絵巻に、県内外の大勢の見物客が見入った。
神事は鎌倉時代に始まったとされ、天下太平や五穀豊穣、疫病退散を祈願する。一時は途絶えたが、1976年から弓馬術礼法小笠原流宗家の指導を受けた「津和野流鏑馬保存会」が続けている。
約250メートルの馬場には3カ所に50センチ四方の的が設けられ、鎌倉時代の狩装束姿の射手ら15人が、弓を構えながら駆け抜けた。会場には見物客約1万2千人が訪れ、射手が的に当てると歓声と拍手が響いた。
益田市遠田町の大浴正和さん(51)と知子さん(45)夫婦は「天気も良く、桜と相まって最高だった。目の前で的中させるところを見られて良かった」と話した。
(藤本ちあき)