島根県邑南町内外の神楽団体が出演する「星が丘桜まつり神楽共演大会」が8日夜、同町高見の高原体育館であった。新型コロナウイルスの影響で、開催は4年ぶり。待ちわびた500人が勇壮な舞を楽しんだ。
大会は38年前、体育館の近くにある高原神社の参道に地域住民が桜を植えたことを機に、多くの人に集まってもらおうと始まった。地元住民でつくる実行委員会がほぼ毎年開催し、32回目。町内の5団体に加え、広島県安芸高田市の横田神楽団を招いた。
舞台は地元の高原神楽団による「潮祓(はら)い」で幕開け。天岩戸に隠れた天照大神を神楽舞で誘い出す「岩戸」や、源頼光らが悪鬼・酒呑童子(しゅてんどうじ)を討伐する「大江山」など7演目を披露した。鬼の登場や、殺陣の場面のたびごとに客席から拍手が起こり、扇子や剣のおもちゃを持って舞をまねる子どももいた。
会場では飲食物を販売する出店もあり、来場者は思い思いに大会を楽しんだ。友人と訪れた県立矢上高校1年の段原紳吾さん(16)は「久しぶりに見る神楽で、観客の自分たちはもちろん、舞っている団員も楽しそうだった」と笑顔だった。(吉野仁士)