JR浜田駅(浜田市浅井町)の駅前商店街でこのほど、石見神楽を楽しむ「銀天街どんちっちタウン 神楽フェスタ」があった。新型コロナウイルス禍のため3年ぶりの開催となり、地元社中が恒例の16頭立てで舞う「エキサイティング大蛇(おろち)」など4演目を披露。久々の迫力ある舞を見届けようと、駅前は見物客で埋め尽くされにぎわった。
駅前商店街「銀天街」の出店者でつくる浜田駅前銀天街協同組合が開き、今回で43回目。昼過ぎには商店街一帯が車両通行止めとなり、駅前に特設舞台がお目見えした。
石見神楽亀山社中の「道返(ちがえ)し」で幕開けし、武甕槌命(たけみかづちのみこと)が客席から姿を現した大悪鬼と激しく立ち合ったほか、弓の名手・源頼政が登場する「頼政」を熱演。西村神楽社中は人気の「恵比須(えびす)」を演じ、6人のえびす様が一斉に客席へ、まき餌に見立てたあめ玉を投げ会場を沸かせた。
両社中による締めくくりのエキサイティング大蛇は、大蛇16頭が一斉に舞台から下りて巨大なとぐろを巻いて群舞を見せたり、用意された高所作業車のリフト台に乗り客席を見下ろしたりと見どころ満載。客がしきりにスマートフォンのシャッターを切る中、2人の須佐之男命(すさのおのみこと)が勇壮な剣さばきで大蛇を退治すると、大きな拍手が送られた。
浜田市国分町の会社員、生田幸広さん(41)は興奮した口調で「毎年見続けてきた。また見物できて、とても感動した。来年以降もどんどんやってほしい」と話した。
(宮廻裕樹)