作家の村上春樹さんが刊行した「街とその不確かな壁」は、40年以上書籍化を封印してきた〝幻の小説〟が原型だ。「中途半端な形で(文芸誌に)出してしまい、すごく後悔していた。きちんとした形にしたいとずっと思っていた」。村上さんに執筆の思いを聞いた。

▽人生の転換点

 新作は3部構成。第1部では、本当の自分は...