2011年12月10日に撮った皆既月食を紹介する相本実副所長=鳥取市佐治町高山、市さじアストロパーク
2011年12月10日に撮った皆既月食を紹介する相本実副所長=鳥取市佐治町高山、市さじアストロパーク

 月が地球の影にすっぽりと入り赤銅(しゃくどう)色に見える「皆既月食」が26日夜、山陰両県でも観察できそうだ。今回は満月が年間で地球に最も接近する「スーパームーン」の状態と重なる。スーパームーンの皆既月食が国内で見られるのは1997年9月17日以来で、次回は2033年10月8日といい、貴重な天体ショーになりそうだ。 (石倉俊直、福間崇広)

 皆既月食は26日午後8時9分から同28分までで、山陰両県では、南東方向の仰角15度の高さで見える。

 日原天文台(島根県津和野町枕瀬)のスタッフ、斎藤和幸さん(64)は「今回は位置が低いため、視界が開けた場所で見るのがお勧め。夜の早い時間帯なので、子どもでも楽しめる」と話す。通常なら難しい200ミリ程度の中望遠レンズでの撮影も楽しめるという。

 新型コロナウイルス禍で移動自粛や工場の稼働率低下のため、空気が澄んでおり、より鮮明に見えるのではないかとも推測する。

 口径103センチの大型望遠鏡がある天文台、鳥取市さじアストロパーク(鳥取市佐治町高山)は観測会(事前予約制)を開くほか、午後8時から動画投稿サイト・ユーチューブで生中継する。相本実副所長は「通常満月の時は空が明るくなり星が見えない。皆既月食は満天の星と赤銅色の月が一緒に見える絶好の機会」と観察を勧める。

 松江、鳥取両地方気象台によると、26日夜の降水確率は、島根県東部と鳥取県が10%、隠岐が0%で、観測できる可能性は高いという。島根県西部は30%。