天然石アクセサリー製造販売の(株)めのや(松江市玉湯町玉造、新宮寛人社長)が新事業に積極的に取り組んでいる。切子ガラス細工の技術を用いたアクセサリー「出雲きりこ」の販売や、地元にまつわる自然由来の原料を使ったスキンケアブランド「kiu 祈雨」の展開で、島根ならではの商品で新機軸を打ち出している。
出雲きりこは、120年続く勾玉(まがたま)製作の歴史を持つ同社が、島根県奥出雲町内の古墳から勾玉などと共に切子玉が出土したのに着目。ガラスの表面に細工を施す江戸切子の技術を同社の工房の新たな技術として取り込んだ。職人の川西規雄さん(39)が東京で江戸切子の技術を学んだ後、製作を受け持つ。
商品は円形やラフ(不定形)など。切子細工の彫りは12パターンあり、直径10~18ミリの透明性のある天然石を使う。価格は税込み1800~12万円。
kiuは出雲国風土記に記された薬草や玉造温泉水などを使用。化粧せっけんは雲南市山王寺のマコモ、出雲市多伎町のヤマモモ、同市大社町鵜鷺地区の「うさぎの塩」をそれぞれ使った3種類がある。厳選した植物油と植物精油を含み、滑らかな泡立ちで肌に優しい。1個90グラムで価格は同2970円。出雲の野草と玉造温泉水を配合した化粧オイルは甘く爽やかなクロモジの香りでリラックス効果が高いという。60ミリリットル入りで同3960円。
同社の松本麻子商品企画マネジャーは「疲れを癒やし、明日も頑張ろうと暮らしの中で楽しんでもらえるアイテムになってほしい」と期待する。