甲冑を身にまとい、登山道を進む子どもたち=島根県奥出雲町、要害山
甲冑を身にまとい、登山道を進む子どもたち=島根県奥出雲町、要害山

 島根県奥出雲町三沢地区の要害山(標高418・5メートル)に築城した戦国武将・三沢氏をしのぶ「山城祭」が28日あり、地元の子どもたちが甲冑(かっちゅう)姿で山を登り、山頂で勝ちどきを上げた。

 三沢氏は中世に勢力を誇り、たたら製鉄や農地開拓を進めた。祭りは、三沢氏を顕彰し、地域の発展を願うため、地元住民らでつくる要害山三沢城跡保存会(白根裕文会長)が2005年から毎年、実施している。

 この日は、甲冑姿の地元の三沢小児童らを先頭に、ほら貝と太鼓の音を合図に山の麓を出発。地元の園児や住民が後ろに連なり、約70人が一列で山頂を目指した。山頂では、武将が勝利を願う出陣式を再現し「エイ、エイ、エイ」「オウ、オウ、オウ」と鬨(とき)の声を上げた。

 大将役を務めた三沢小6年の糸賀優真君(11)は「坂が急で大変だったけど、責任ある役をしっかり務めることができた」と話した。(山本泰平)