山陰インド協会は2023年度、新型コロナウイルス禍で縮小してきた日印の交流事業を再始動する。インドへの経済視察団派遣を再開するほか、地元企業を対象にインド人材へのニーズやインドビジネスへの関心度を探るアンケート調査に初めて取り組む。

 経済視察団の派遣は4年ぶりで、10月22~29日に実施する計画。地元企業の経営者らが農機具メーカー、三菱マヒンドラ農機(松江市東出雲町揖屋)が資本提携するマヒンドラ・アンド・マヒンドラ社をはじめ、在インド日本大使館を訪問し、地元企業の参入の可能性などを調べる。

 アンケートは中海・宍道湖・大山圏域市長会と共同で企画する。高度な技能を持ったインド人材の採用意向のほか、協会への要望を尋ね、地元企業のインドビジネス支援の方策を練る。

 コロナ禍でオンラインも活用してきたインド人材の受入・企業連携事業は、24年1月末に短期インターンシップで6人の来日を計画する。地元の企業や大学などに滞在しながら、地域経済や労働環境への理解を深めてもらう。

 インド参入に向け、16年から自社開発した環境配慮型の汚水処理施設のニーズを調べてきた大成工業(米子市米原6丁目)の三原博之社長は「山陰インド協会などのバックアップも借りて、現地ビジネスの成功を目指したい」と意気込んだ。

 インドは豊富な労働力を擁する一方、若年層の就職難が深刻化している。同協会の松尾倫男会長は「インドの人材が、人手不足の山陰にとって救世主になり得るかどうかも重要なテーマになる」と説明。人口減少に直面する山陰にあって、日印の人的交流の拡大を突破口に、地元経済発展の方策を探る。

      (今井菜月)