【浜田】浜田市旭町丸原の刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」の受刑者が盲導犬候補の子犬(パピー)を育てるプログラムの修了式が3日、同センターであった。受刑者はラブラドルレトリバー4匹を協力して世話した約8カ月間を振り返り、慈しみの心を胸に送り出した。
昨年11月に生後約5カ月の4匹を預かり、4班に分かれて受刑者17人がしつけや訓練に取り組んできた。修了式はセンターや日本盲導犬協会の役員らが見守る中、各班の代表が1匹ずつ引き渡した。式後に最後の触れ合いがあり、抱きかかえたり、「頑張れよ」と声をかけたりして別れを惜しんだ。
20代の受刑者は、わんぱく過ぎてしつけに苦労した当初を思い起こし「みんなで相談しながら取り組み、だんだんと言うことを聞くようになってうれしかった」と目を細めた。60代の受刑者は「別れるのはさみしい。忍耐や思いやる心の学びを生かして地域社会に貢献したい」と話した。
4匹は今後、日本盲導犬協会の県外施設で盲導犬になるための訓練を受ける。
プログラムは責任感や協調性を身に付け、受刑者の再犯防止につなげる目的で2009年にスタートした。これまでに74匹のパピーを育成し、うち18匹が盲導犬として活躍している。(吉田雅史)