【出雲】江戸から昭和初期の交通の歴史をたどる企画展「しまね×交通クロニクル」が7日、出雲市大社町杵築東の島根県立古代出雲歴史博物館で始まった。海運に関する絵馬や模型、自動車や鉄道の資料など約140点が並び、歴史の変遷と世相が伝わってくる。9月3日まで。
海運の時代から鉄道や自動車が登場するまでの約250年間を六つのテーマに分けて紹介している。
海運では、石見の船持ちが航海の安全を祈願して波根八幡宮(大田市波根町)に奉納した「船絵馬」(縦1・18メートル、横1・94メートル)を展示。1枚に16隻の帆船が描かれ、中小型の船が活躍していたことが伝わる。
幕末に入ると蒸気船や蒸気車など西洋の技術を取り入れ、明治後半には自動車が普及し始めた。昭和初期に生産された「A型フォード」(長さ4・0メートル、幅1・8メートル、高さ1・8メートル)が展示、公開されている。
中安恵一専門学芸員は「交通の技術革新から人の暮らしの変化が分かる。当時の人々の衝撃を感じながら見てほしい」と来場を呼びかけた。
観覧料は一般700円、大学生400円、小中高生200円。18日と8月8日は休館。(佐野翔一)