出雲観光を盛り上げようと、素泊まり宿を営むきむら荘(出雲市大社町日御碕)が、大社湾でのクルージング事業「出雲遊覧」を始めた。渡船を改装し、国引き神話の舞台・稲佐の浜や弁天島を海から眺められるのが魅力。木村昌夫社長(54)は「出雲の神秘性と大社湾の美しい景色を眺め、長期的な集客につなげたい」と意気込む。
きむら荘は民宿の運営と渡船、日御碕周辺の遊覧船を行ってきた。団体から個人に旅行形態が変わり、日御碕の観光客層が変化する中、2018年に民宿を素泊まり宿に変更。新たな集客の目玉としてクルーズ船を思いついた。
海からの景観を知る木村社長は「いつ見ても本当にきれいな景色。一般の人にも喜んでもらえる」とし、出雲大社に訪れる観光客が利用しやすい大社漁港(市大社町杵築北)を発着点に始めることにした。地元漁師の理解も得られた。
改装した船(長さ約15メートル、幅約4メートル)は、屋上席10席を含めて定員43人。22年4月に起きた北海道・知床半島沖の観光船沈没事故を受け、扉の水密性確保や衛星電話を設置するなど規制強化に対応し、今年4月に国土交通省中国運輸局から旅客不定期航路事業の許可を受けた。
大社漁港を出発して大社湾を約40分かけて回り、園の長浜や三瓶山の雄大な景色と、平安時代の絵師があまりの美しさに筆を投げたといわれる筆投(ふでなげ)島、弁天島などを遊覧。神迎えの際に海から浜に訪れる神々の視点も味わえる。
乗船した出雲市武志町の会社員大塚真知子さん(39)は「普段、陸から見ている景色が違った視点から楽しめた。裏側から見る弁天島もすてきだった」と話した。
大人料金は1階席(定員33人)2000円、屋上席(10席)2500円で、小学生以下はそれぞれ1千円安くなる。出航時間は午前9時半、同11時、午後2時半。予約専用電話090(6952)4940。 (松本直也)














