第二章 道を行け(三十一)

 江戸の暑さにあえぎながら、屑や欠片を拾い歩いて夏を過ごしている。

 権兵衛親分の言う通り、たかが屑、されど屑だった。藁(わら)しべや木片を集めて湯...