▼遺跡の年代特定にも活用

 地球が生まれて46億年。今までの気候の変動を再現するのが古気候学だ。日本の気温や雨量の変化を解明することが歴史とどうつながるのか。地球温暖化に対する適応のヒントは―。それが知りたくて名古屋大大学院の中塚武教授を訪ねた。

 研究室に入ると、顕微鏡をのぞいて、木の年輪から繊維質のセルロースを年ごとに取り出す人がいた。含まれる酸素同位体のうち2種類の比率を調べると、毎年異なり、その違いから6~7月の降水量の傾向が推定できる。日本では夏の雨が多いと気温が低くなるので、降水量から気温も...