第二章 道を行け(三十四)

 陶工の金助や末吉が長屋から欠片を持ち出すのを、寅蔵は幾度となく見かけている。

「いや、見当はついてますのや。細こう砕いて粉にして、直しの材にしてるんだすやろ」 ...