1994年11月16日、ウクライナ最高会議(議会)は核拡散防止条約(NPT)加盟を賛成301、反対8、棄権20で決議した。万単位の数の核兵器で米国と鋭く対峙(たいじ)したソ連の崩壊からやがて3年。米ロに次ぐ世界3位の核保有国のNPT入りが、ここに確定した。
同様にソ連の核が残ったベラルーシとカザフスタンの議会は前年にNPT加盟を決めており、「最後のピース」であるウクライナの加盟は世界が祝福すべき進展だった。
▽落とし穴
しかし、思わぬ落とし穴がすぐさま露見する。
「最高会議が加盟を承認...