「おんな声」で話せば、見た目が多少男性のままでも「ボーイッシュな女の子」になれる。トランスジェンダー女性にとっての声の重要性を、工藤理江(48)はそんなふうに説明する。声帯の使い方を自在に変え、普段は疑いようのない女性の声で話す。「ほら、こうすると男になるでしょ」。親しい友人にはおどけて男性の声を出してみせ、驚かせることもある。

 出生時の性別は男性。だが、幼いころから女性と自認していた。

 現在はボイストレーナーとして、東京都内でカラオケ店の...