民家など12棟に被害があった鳥取県江府町江尾の火災で町は9日、焼けた住宅の撤去費や見舞金として計3千万円を支出する考えを示した。親戚宅などに身を寄せる被災者12人には公営住宅をあっせん。開催間近だった町の伝統行事「江尾十七夜」は中止が決まり、影響が多岐にわたった。
火災から一夜明けた9日は警察や消防が状況を調べ、黒坂署によると、焼けた12棟のうち7棟が全焼したことが新たに分かった。
平井伸治知事も現場視察し、白石祐治町長や町消防団の遠藤敏彦団長が火災時の状況や被害を説明した。白石町長は11日に臨時議会を開会する意向を示し、災害支援事業費として補正予算案を提出する考えを明らかにした。
新型コロナウイルス禍で中止と縮小開催が続いた江尾十七夜は、17日夜に4年ぶりに通常開催する予定だったが、被災者の心情への配慮やケア重視の観点に加え、山車とともに参加者が町内を踊り歩くコースが火災現場に近いことから、16日の前夜祭など関連イベントも含めて全て中止する。
9日は依然、現場に焦げた臭いが立ち込め、溶けたプラスチック製品や炭化した本などが散在。黒坂署によると、火災の規模が大きく、10日も引き続き焼失面積など詳細を調べる。
(中村和磨)













