湾内に漂着した流木=17日午後2時38分、鳥取市港町、鳥取港
湾内に漂着した流木=17日午後2時38分、鳥取市港町、鳥取港
護岸が崩壊し、道路がえぐれた国道482号=17日午前9時48分、鳥取市用瀬町別府(鳥取県提供)
護岸が崩壊し、道路がえぐれた国道482号=17日午前9時48分、鳥取市用瀬町別府(鳥取県提供)
湾内に漂着した流木=17日午後2時38分、鳥取市港町、鳥取港
護岸が崩壊し、道路がえぐれた国道482号=17日午前9時48分、鳥取市用瀬町別府(鳥取県提供)

 台風7号の大雨により、鳥取県東部を中心に生活を支えるインフラがダメージを受けた。孤立集落が相次いだ鳥取市佐治町の住民らにとって、移動に欠かせない県管理の国道では、護岸崩壊や土砂流出で全面通行止めが続く。県などは仮復旧を急ぐが、本格的な復旧工事の道のりは遠そうだ。

 県道路企画課によると、山間部の谷あいに位置する鳥取市の佐治町と隣町の用瀬町をつなぐ国道482号は、15日から用瀬町別府-佐治町栃原間で全面通行止めが続く。区間は22キロに及び、川の増水に伴う崩壊や土砂の流入などの被害が多数出ている。

 使用できる道路が限られる佐治町で同国道は生活を支える重要な生活道。ほかに迂回(うかい)路がない同町の3集落は今なお孤立状態が続き、米田憲司課長は「住民に不便をかけている。早く通れるようにしたい」と話す。

 18日に一部区間を片側交互通行にするなどして仮復旧する見通しだが、通常の状態に戻るまでには時間を要しそうだ。

 県によると、国の補助金を使った復旧工事には国の査定が必要で、事業者への工事発注は年明けごろになる可能性がある。河川近くの工事は出水期に作業できないのに加え、佐治町は冬の積雪が多いため、工事完了は発注から最大1年程度になる見通し。

 一方、大雨の被害は河川の河口付近にも及んでいる。鳥取市港町の鳥取港の湾内には大量の流木や漂着ごみが流入。同港を管理する鳥取港湾事務所によると、15日に千代川河口から流れ出たものが、係留中の船舶の周囲を埋め尽くした。

 17日午前から撤去作業が始まったが、完了には数日かかる見通しで、港内の漁船などが動けない状態が続いている。松本和芳所長は「船舶が安全に利用できるよう速やかに復旧を進めていきたい」と話した。(岸本久瑠人、吉金亮太)