友好協定締結30周年記念式典で握手を交わし、交流発展を誓い合う嘉戸隆町長(左から3人目)とユダ村長=インドネシア・バリ島マス村
友好協定締結30周年記念式典で握手を交わし、交流発展を誓い合う嘉戸隆町長(左から3人目)とユダ村長=インドネシア・バリ島マス村

 【バリ島(インドネシア)=川本支局・佐伯学】島根県美郷町とインドネシア・バリ島マス村の友好協定締結30周年記念式典が18日、マス村であり、町から派遣された友好訪問団40人と村民がさらなる交流の発展を誓い合った。

 訪問団は町内の中高生17人と町、町議会、町商工会、町観光協会の代表者ら23人。集会所で式典がありマス村のダルマユダ村長は「交流には楽しい思い出がいっぱいある。これからも仲良くしていきたい」とあいさつした。美郷町の嘉戸隆町長は交流史を振り返り「世代を超えて友情を育みたい」と語り、記念品を交換した。町国際友好協会が村の子どものために使ってもらおうと寄付金を贈った。

 中高生はバリ舞踊の演目「ルジャン・マス」を現地の踊り手と舞い異文化体験した。町のバリ伝統芸能ガムランの楽団ミサト・サリの舞踊メンバーで、大和中学校3年の難波紗奈さん(15)は「現地の人は指の先まで動きが滑らかで、隣で踊っていて勉強になった」と本場の踊り手のすごさを肌で感じていた。

 大和中学校3年、田中南鶴さん(15)が、美郷町の名所を記した自作の観光マップをインドネシア語で紹介した。町職員は石見神楽の演目「恵比寿(えびす)」を舞い、盛り上げた。

 式典後、中高生は地元の中学生から、バリのお供え物「チャナン」の作り方を教わり楽しく交流した。

 訪問団派遣は2019年の25周年記念行事以来、4年半ぶり。22日まで滞在し、中高生は事前学習で考えた散策ルートに沿って史跡や名所を巡る。

 協定は、合併前の旧邑智町が開設した「カヌー博物館」の開館イベントで、マス村の職人がカヌー製作を実演したのが縁で1993年9月に締結した。バリ島の自治体と友好協定を結ぶ日本の自治体は、美郷町が唯一という。