新型コロナウイルス対策の地方創生臨時交付金が制作費に使われた、巨大なスルメイカのモニュメント=5月、石川県能登町
新型コロナウイルス対策の地方創生臨時交付金が制作費に使われた、巨大なスルメイカのモニュメント=5月、石川県能登町

 石川県能登町が税金を投じ設置した全長約13メートル、高さ約4メートルのスルメイカのモニュメントが〝イカスミ〟ならぬ、思わぬ波紋を広げている。制作費に新型コロナウイルス対策の地方創生臨時交付金を使ったことへの批判を巡り海外メディアも報道。一方、騒動にも現地は好意的で意外なにぎわいを見せている。

 町が昨年、「コロナ禍が収束した後の観光シンボルに」と発案した。制作費約2700万円のうち交付金から2500万円を使い今年3月末に完成。特産品のスルメイカがモチーフで、観光施設「イカの駅つくモール」の芝生に設置した。

 「感染対策に使うべき交付金でなぜ作るのか」などと町に批判の電話が相次ぐと、英BBC放送が5月、「日本は感染者急増に直面している。パンデミック(世界的大流行)が収まっていないのに、巨大な頭足類に巨額を投じた町政に批判が出ている」とのウェブ記事を公開した。

 米紙ニューヨーク・タイムズ電子版も「日本が新たな感染を抑えようと奮闘する中で、金の無駄遣いと批判されている」と報じた。

 一方、5月下旬の晴れた日曜日、現地は家族連れなど多くの人が訪れ、モニュメントに登ったり記念撮影したりと思い思いに楽しんでいた。

 石川県七尾市から夫と訪れた50代女性は「賛否はあるけれど、町の宣伝になったのでは」と好意的。報道で興味を持ったという同県小松市の40代男性は「この騒動で名産がイカだと知った」と話し、妻と写真を撮っていた。

 町によると、大型連休中は多い日で500人超が観光施設で買い物をした。町の担当者は「理由はともあれ話題になった。コロナ収束後はぜひ一度見に来てもらえたら」と話している。 石川県能登町が税金を投じ設置した全長約13メートル、高さ約4メートルのスルメイカのモニュメントが〝イカスミ〟ならぬ、思わぬ波紋を広げている。制作費に新型コロナウイルス対策の地方創生臨時交付金を使ったことへの批判を巡り海外メディアも報道。一方、騒動にも現地は好意的で意外なにぎわいを見せている。

 町が昨年、「コロナ禍が収束した後の観光シンボルに」と発案した。制作費約2700万円のうち交付金から2500万円を使い今年3月末に完成。特産品のスルメイカがモチーフで、観光施設「イカの駅つくモール」の芝生に設置した。

 「感染対策に使うべき交付金でなぜ作るのか」などと町に批判の電話が相次ぐと、英BBC放送が5月、「日本は感染者急増に直面している。パンデミック(世界的大流行)が収まっていないのに、巨大な頭足類に巨額を投じた町政に批判が出ている」とのウェブ記事を公開した。

 米紙ニューヨーク・タイムズ電子版も「日本が新たな感染を抑えようと奮闘する中で、金の無駄遣いと批判されている」と報じた。

 一方、5月下旬の晴れた日曜日、現地は家族連れなど多くの人が訪れ、モニュメントに登ったり記念撮影したりと思い思いに楽しんでいた。

 石川県七尾市から夫と訪れた50代女性は「賛否はあるけれど、町の宣伝になったのでは」と好意的。報道で興味を持ったという同県小松市の40代男性は「この騒動で名産がイカだと知った」と話し、妻と写真を撮っていた。

 町によると、大型連休中は多い日で500人超が観光施設で買い物をした。町の担当者は「理由はともあれ話題になった。コロナ収束後はぜひ一度見に来てもらえたら」と話している。