縁もゆかりもない松江市に移住し、動画投稿サイト「ユーチューブ」で山陰両県の魅力を発信する「移ジューバー」として奮闘する若者2人がいる。ともに東京都から移り住んだ小林祐介さん(29)=東京都出身=と松下昇平さん(24)=鹿児島県出身。新型コロナウイルスの感染拡大で地方移住の関心が高まる中、両県各地を巡って田舎暮らしや観光の魅力を伝える。
2人は人気お笑いコンビ「かまいたち」を総合プロデューサーに、移住生活を動画配信する地元テレビ局の企画に応募。小林さんは元競艇選手、松下さんはセパタクローの現役選手で、約30人の中から選ばれた。
2月から海辺の古民家で共同生活し、住居や月5キロずつのコメ、調味料といった必要最低限の食料などはテレビ局が提供。週5回のペースで動画投稿し、再生回数・高評価数に応じた報酬と、生配信時に視聴者が提供する「投げ銭」を収入とする。
動画では日々の生活や豊かな自然や風景を楽しめる出雲大社までのサイクリングなどを紹介。小林さんが松江城周辺を巡る堀川遊覧船の操縦に挑戦し、松下さんが堀川の自然や生き物を映す動画も予定している。
「難しい」と口をそろえる編集作業もこなし、3月1日~4月22日までの動画で再生10万回という「かまいたち」の指令を達成した。小林さんの「競艇学校時代きつかった訓練トップ3」の単発2万5千回を最多に16万3千回となった。
活動期間は今冬までで、現在約2万人のユーチューブチャンネル登録者数の3万人獲得が目標。
小林さんは「東京生まれ、東京育ちの視点で魅力を伝えたい」と意気込み、松下さんは「移住する人が出てきてくれたらうれしい」と願う。(片山大輔)