第三章 宝船(三十四)

 親爺が徳利を運んできて、さらに小さな火鉢と土鍋も運んできた。

「熱いから舌を焼かんように」言い置き、忙(せわ)しなく土間に下りてゆく。

 寅蔵は「へ...