子育て環境の充実に向け、鳥取県大山町が小中学生の学校給食費を無償化する方針を決めた。従来の半額支援から拡充。対象を町内の小中学校7校だけでなく、町から県内の特別支援学校の初等、中等科に通う子どもに広げ、保護者の経済的な負担を軽減する。

 対象を1100人程度と見込んでおり、11日開会の6月定例町議会に事業費5千万円を盛り込んだ2021年度一般会計補正予算案を提出。可決後、4月分までさかのぼって適用する。

 町によると、町内の給食費は牛乳を含めて1食当たり小学校288円、中学校338円となっている。

 町は子育て支援策の一環で、給食を提供する町学校給食会に対し、17年度の2学期から半額を補助。給食費を抑えてきた。

 一層の充実を図り、子育て世代の移住促進にもつなげようと、同会への補助を全額に引き上げる。新たに加える特別支援学校の子ども向けは、町内小中学校の給食費と同額を対象世帯に直接給付。町内より安い場合は実費精算する。

 山陰両県で学校給食費の完全無償化は、島根県吉賀町が取り組んでいるほか、境港市が同時に3人以上が就学している場合などを条件に減免している。(田淵浩平)