■短歌 宮里 勝子選

読めずとも何か心に届くはず施設の夫に絵便りを書く       江 津 林 志保子

  【評】施設に入所している夫を思いつつ筆をとる作者の思いが素直でやさしい。別々に暮らしていても何か力になりたいと思う夫婦の愛情があふれ、明るさに救われます。

咲く花の重みに下を向きながら園児迎えるアジサイの花      米 子 山本ひとみ

  【評】あじさいの花にポイントをしぼり情景が伝わる。咲き盛る紫陽花の様子と散歩する園児の取り合わせがよく、「園児迎える」の比喩も嫌味がありません。

その首を空に突き出し踏...