益田署員が益田市内の国道9号で、時速60キロ規制の区間を50キロと誤って取り締まっていた問題で、道交法違反で書類送検された自営業の男性(55)=島根県津和野町=が2日、山陰中央新報社の取材に応じた。一問一答は次の通り。

 ―警察からどんな一報があったのか。

 「9月26日午前10時、益田署から、誤った取り締まりが行われたとの電話があった。詳しい内容は、警察か検察から、呼び出しがあると言われた。自らの不備なのに呼び出しとはおかしいと、島根県公安委員会に問い合わせた」

 ―公安委員会の対応は。

 「その際に『公安委員会の手続きを経ないまま、道路の規制を変更し、速度超過の取り締まりをした』との連絡を受けた。『公安委員会の意思決定』といった分かりにくい用語があったので、かみ砕いて説明するよう求めた」

 ―同じ日に県警が誤検挙を発表した。

 「送検された私以外の2人は、6万円の罰金に処せられているという。県警は違反点数の取り消しや反則金の還付を進めるとしているが、2人は一度、刑が確定している。無罪にするために再審が必要なのか分からないが、ただごとではないと感じた」

 ―何に一番不満を感じているのか。

 「担当者の失念が理由だと報道で知った。時速60キロを時速50キロに変更する部分での手続きの不備は失念で理解できる。ただ、その地点で機材を展開して17人を摘発したのは、失念とは別の次元の問題。損害賠償が発生する違法行為に当たらないのか。一連の行為がうっかりで片付けられるのか疑問だ。また、現時点で私は謝罪を受けていない」

 ―今後、どのような対応を取るのか。

 「県警の担当者は電話先で違法性はないと言っている。違法性の有無を調べるために、公安委員会に書面で回答を求めたい。県警の対応は本当に違法ではないのか。争う姿勢で検討したい。私が実名で名乗りを上げたことで、刑事罰を受けた2人をはじめ、摘発された人たちから何かしらの反応があると思う。そうした人の思いも聞きたい」