【安来】安来特産の養殖ドジョウの人工ふ化などを手掛ける「やすぎどじょう生産組合」が9、10の両日、安来市西松井町のやすぎどじょうセンターで、今年ふ化した稚魚200万匹を生産者に引き渡した。新型コロナウイルス禍で低迷した需要が少しでも上向くのを期待し、2021年度の生産目標は前年度比25%増の3トンに設定した。
稚魚は体長1センチほどで、市内35の個人・団体でつくる同組合が5月下旬に産卵・ふ化させた。生産者は休耕田などを利用した養殖池に稚魚を放して10センチ前後まで育て、組合を通じて全国の飲食店などに出荷する。
10日は、組合職員が注文数に応じて稚魚をバケツに分け、手際よくビニール袋に移し替えて生産者8人に渡した。出荷は8月の盆明けごろに本格化するという。
新型コロナの感染拡大の影響で、20年度の生産量は2・4トンにとどまり、19年度からほぼ半減した。渡辺健次組合長(74)は「水田で育てる安来のドジョウは、天然ものに近い味わいが特長。コロナが早く収束し、多くの人に食べてもらいたい」と願った。
(渡部豪)