島根県立美術館(松江市袖師町)で開催中の企画展「住友コレクション名品選」(山陰中央新報社、島根県立美術館など主催)の記念イベントが14日、同美術館であり、神戸市立小磯記念美術館長の岡泰正さんが講演した。フランスの印象派画家クロード・モネが日本の浮世絵をヒントに新技法を模索したエピソードなどを取り上げ、西洋と日本の美術のつながりを解説した。
企画展の監修者でもある岡さんは、近代になり日本の版画や欧州の銅版画が相互に流通し、各国の画家が絵画技法などを学ぶ動きが出たと説明。モネは浮世絵を集め、構図を模倣した作品もあると紹介した。
企画展ではフランスと日本の絵画を並べて展示するコーナーもあり、岡さんは「構図や技法を見比べながら、作品の面白さを味わってほしい」と話した。
講演には県内外の美術ファンや観光客ら約60人が駆けつけ、熱心に聴講した。
住友家当主が世界各地から集めた絵画計85点を並べる企画展は11月6日まで開催。観覧料(常設展セット)は当日券一般1300円、大学生千円、小中高校生400円。火曜休館。(堀尾珠里花)