作家の向田邦子さん(1929~81年)にとって小学校の弁当の時間は、貧富の差や親の愛情について考えないわけにいかない時間だった。だから「自分は中流だ」と思う人が91%いるという調査結果を新聞で見た際、「これは給食の影響だ」と思ったそうだ。

 「もう少し利発だったら、お弁当の時間は政治、経済、社会、人間の不平等について学べた」ともエッセー『お弁当』で振り返ったように...