自民党で後藤田正晴氏と若手政治家らがリードした衆院選挙制度改革論議。主要スタッフとして関わった政治アナリストの伊藤惇夫氏は、現行の小選挙区比例代表並立制の導入には「いくつものボタンのかけ違いがあった」と振り返る。何をかけ違えたのか。 最初に抱いたのは違和感でした。自民党の職員だった私は1989年1月に、リクルート事件を受けて党内に新たに設置された政治改革委員会のスタッフに任命されました。若手職員5、6人の中の1人でした。

 「集まれ」と言うので党...