開発したお菓子「サザエの肝フィナンシェ」
開発したお菓子「サザエの肝フィナンシェ」
廃棄されるサザエの肝
廃棄されるサザエの肝
開発したお菓子「サザエの肝フィナンシェ」
廃棄されるサザエの肝

 島根県西ノ島町でサザエの尻尾(肝)を材料にしたお菓子のフィナンシェが完成した。缶詰に加工する際、廃棄処分になっているといい、フードロスの解消に役立てる。3日、町内で開かれるイベントで試食会がある。

 フィナンシェは焼き菓子の一種。埼玉県在住でフランス料理のシェフ、桂有紀乃さん(38)が完成させ、お菓子の名前は「サザエの肝フィナンシェ」。町が連携協定を結ぶ大手飲食店情報サイトを運営する「ぐるなび」(東京都)から派遣された藤田寛子さん(31)=安来市出身=が、特産品を使った新メニューを開発するにあたり、桂さんら首都圏で活躍するシェフ3人を3月と9月に招請した。

 町内の水産加工業者を視察した桂さんは、大量に廃棄される肝に注目した。「肉や魚の肝とカカオは風味の相性がいい。コーヒーの苦味とも合うので、お茶菓子として楽しめるフィナンシェに仕立てました」と、チョコレート風味のフィナンシェにした。

 藤田さんによると、缶詰加工で1年間に3万6千個分の肝が廃棄されているという。また、隠岐地方は肝を食用にしない人が多く、将来的には土産品にして有効活用を考えている。

 桂さんの開発したレシピで作ったフィナンシェは、3日、同町浦郷の町観光交流センターである「ギョギョギョ魚フェスタ」で、アンケートに答えた来場者に試食をしてもらう。
(鎌田剛)