真剣な表情でそばを打つ田尾海星店長=島根県奥出雲町八川、高原そば壱心
真剣な表情でそばを打つ田尾海星店長=島根県奥出雲町八川、高原そば壱心

 島根県内有数のソバの産地・奥出雲町が新そばのシーズンを迎え、秋の味覚を求める多くの観光客でにぎわっている。

 奥出雲のソバは、たたら製鉄との関係が深く、砂鉄を採った鉱山や木炭生産のために切り出した山林の跡地で栽培が広がった。

 奥出雲町八川の「高原そば壱心」は、10月28日に新そばの提供を開始。香りと甘みが際立つそばを目当てに県内外から大勢が訪れ、毎日約100食が完売するという。

 2日も開店直後から多くの客が訪れ、数量限定の在来種「横田小ソバ」の割子そばや釜揚げそばに舌鼓を打った。米子市河崎の会社員根本貞美さん(60)は「小ソバの香りとのどごしは星五つだ。来年も必ず来る」と喜んだ。

 店長の田尾海星さん(26)は「1年の中で1番おいしい時期。売り切れることもあるので早めに来てほしい」と呼びかけた。新そばは11月末までの提供を予定する。

 このほか、町内の約10店舗が新そばを提供する。問い合わせは奥出雲町観光協会、電話0854(54)2260。
(山本泰平)