雄大な日本海を背に古道を登る参加者=島根県知夫村
雄大な日本海を背に古道を登る参加者=島根県知夫村

 島根県知夫村で5日、古道を歩く探検イベントがあった。隠岐島前3町村の計17人が、赤ハゲ山(標高325メートル)を目指して山道4・5キロを2時間かけて登り、紅葉や草花、抜群の眺望を楽しんだ。

 知夫里島観光協会が主催し、来居地区にある願成寺の裏から古道に入った。前半は細い急坂の山道が続き途中、約15年前に移転した願成寺跡地や道祖神の宮で足を止めた。

 その後も放牧牛やタヌキが通った形跡のある獣道となっていたが、道は赤ハゲ山まで続き到着。西ノ島との海峡となる赤灘の瀬戸の絶景が広がり、多くの参加者が記念に写真撮影した。

 海士町から参加した隠岐島前高校1年の作田福朋(ふくとも)さん(16)は「疲れたが改めて美しい景色を楽しめた」と満足げだった。

 知夫村では、主に地元の有志でつくるグループ「古道開拓の会」(10人)が、3年前から古道の再発見と整備を進める。車が普及する前は毎年旧暦の3月21日に神社や寺、地蔵で地域の人から振る舞いを受ける伝統行事「お大師参り」で人が歩いたといい、かつての巡礼を復活しようと道の探索を続けている。会の矢田百合子さん(39)は「歩いて知夫の観光を楽しんでもらい、滞在時間を増やしたい」と話した。

(鎌田剛)