琴や三絃を奏でる演奏者たち=大田市三瓶町、浄善寺
琴や三絃を奏でる演奏者たち=大田市三瓶町、浄善寺

 大田市三瓶町池田の浄善寺で、琴や三絃(さんげん)による演奏会があった。樹齢600年超の大イチョウが黄金に色づき、寺周辺は紅葉のピークを迎えており、大勢の参拝客が移ろいゆく季節を感じながら音色を楽しんだ。

 山陰中央新報文化センター松江教室の琴・三絃講師で、同町池田出身の石橋清宗さん(63)=松江市西川津町、本名・玲子=が毎年企画。今年は教え子の十数人と地元の尺八奏者とともに催した。

 演奏は琴と尺八の競演による童謡「あんたがたどこさ」に始まり、唱歌「旅愁」「ふるさと」のほか、弾き歌いによる地歌「けしの花」など7曲を披露した。会場の本堂でじっくり聞き入る人もいれば、境内で大イチョウを眺めながら漏れ出た音に耳を傾ける人もいて、それぞれが山寺の雰囲気を満喫した。

 大田市大田町の宮田俊二さん(69)は「邦楽とお寺、イチョウという素晴らしい組み合わせで楽しませてもらった」と話した。

 境内には赤く染まったモミジも多く植わり、大イチョウとともに12月初めまで楽しめるという。
   (勝部浩文)