短 歌

 ◇湖笛出雲支部(出雲市)

春の雪午後の陽射しに溶けてゆく思春期の子はただ黙すのみ 青木とら子

十七基風車働く丘陵(おか)を過ぐ更なる三基次ぎて立つ見て 後藤 元興

花びらを重ねて咲ききる艶やかさかりそめならず薔薇と言う花 山本 卓子

逝きし夜はどしゃ降りなりき夫の二月重ね重ねて二十年過ぐ 後長美津子

娘子は独り暮らしを心配しインターホンを取り付けくるる 三原 早苗

幾...