米子市彦名新田の米子水鳥公園に30日、国内では確認事例が少ないハイイロガン1羽と、サカツラガン1羽が同時に飛来した。この2種が行動を共にすることは珍しいという。
公園によると、同日午前8時半ごろ、職員が上空から園内のつばさ池に降りた2羽を確認した。
ハイイロガンは全身が灰色で、くちばしと脚はピンク色。広げた翼の白と黒の部分のコントラストが強いのが特徴。大陸で繁殖し、越冬する鳥で、園内で確認したのは、1995年のオープン以来初めてという。
サカツラガンはくちばしが黒く、脚はオレンジ色。くちばしと首がガン類でも特に長い。北東アジアで繁殖し、主に朝鮮半島で越冬するという。
国際自然保護連合(IUCN、本部・スイス)のレッドリストカテゴリーでは、絶滅の危険性が高いと判断された「危急種」に分類される。世界的に少なく、国内での確認例も少ない。公園での確認記録はあるが、毎年飛来する鳥ではないという。
どちらも成鳥で、迷い込んだとみられ、水面で寄り添うようにしていた「冬の使者」に、同公園の桐原佳介統括指導員(50)は「つがいのように仲が良い。公園で一冬を過ごしてくれればうれしい」と話した。(古瀬弘治)















