松江市内などを走る一畑バス4路線(マリンプラザ、御津、大東、荒島)の廃止方針を巡り、同市が今月中に代替策の方向性を示すことが11日、分かった。同日までにまとめた乗車人数調査の結果を基に、コミュニティバスや予約型乗合バスサービス・AIデマンドバスの導入を決める。
4路線は70人以上の高校生が通学で利用し、受験を控える中学3年生の進路選択にも影響するため、早期の代替策提示が求められている。上定昭仁市長は昨年末の会見で「(代替策を)年明けの早い段階でアナウンスできるようにする」と説明したものの、保護者などから不安の声が上がっていた。
市と一畑バスが行った乗車人数調査では、平日の1日平均で松江市西川津町にある一畑バス本社に向かう往路は、島根町などを走るマリンプラザ線が162・7人▽鹿島町などを走る御津線が99・4人▽大東線61・3人▽荒島線29・6人-の利用があると判明。復路はマリンプラザ線164・1人▽御津線83・9人▽大東線50・2人▽荒島線31・6人―だった。
市は時間帯別の利用者数を分析し、コミュニティバスの運行事業者との協議や、予約型乗合バスサービス・AIデマンドバスの発着時間の調整を進めている。市都市整備部の井上雅雄部長は「市民への影響が最も少ない代替策の確立に向け、急いでいる」と話した。一畑バスが示した廃止時期は今年9月末で、市は代替策を検討する一方、路線の継続要請についても沿線の雲南、安来両市と検討している。
県教育委員会によると松江市の6校、安来、雲南両市の各1校の県立高校で少なくとも計71人が通学に利用。マリンプラザ線と、御津線には計52人が集中している。(佐々木一全)