第六章 来去来(一)

 箏(こと)に三味線が入り、そこに胡(こ)弓(きゅう)の音色が加わった。

 三曲の連(つ)れ弾きだ。おのおのが高く低く澄んでは離れ、ふいにまた一つの音の束になっては響き合う...