松江、雲南、安来の3市を走る一畑バス4路線(マリンプラザ、御津、大東、荒島)の9月末での廃止方針を巡り、松江市が23日、一畑バスや雲南、安来両市との協議の結果、4路線とも代替策のめどがついたと発表した。同市島根町と市中心部を結ぶマリンプラザ線は一部の区間や便数を縮小しつつ、通勤、通学時間帯などに配慮して存続する。他の3路線は廃止となるものの、市営バスや松江、雲南両市のコミュニティバスなどを充てて対応する。(佐々木一全、石倉俊直)

 マリンプラザ線は4路線で最多の30人の県立高校生が通学に利用し、受験を控える中学3年生の進路選択への影響が懸念される中、松江市の要望を踏まえ、一畑側が存続を再考した。

 市や同社によると、マリンプラザ線(一畑バス本社-マリンプラザ前)は10月1日以降、途中の西川津町内のバス停から島根町のマリンプラザ前までの区間が存続。西川津町から市街地方面は同社が運行する万原線や市営バスに乗り換えとなる。現状で午前6時57分(平日のみ)▽同7時12分▽同7時57分-の計3便あるマリンプラザ前発の朝の便数は2便に減便する。他の時間帯の詳細な便数は協議中だが、夕方以降の帰宅時にも対応する便を設ける。

 御津線と大東線は、松江、雲南両市のコミュニティバス路線の新設で対応。荒島線は、安来市の市広域生活バス(イエローバス)や松江市営バスの4月以降の新ダイヤで補う。いずれも通勤通学の時間帯に配慮した運行とする。

 詳細は今後詰め、松江市は必要経費を2024年度一般会計当初予算案に盛り込む。上定昭仁市長は1月29日に県立高校の願書の受け付けが始まる点を踏まえ「路線が確保される点を考慮してもらい、進路選択の参考にしてほしい」と述べた。

 市と一畑バスによる平日1日平均(往復)の利用者数調査では、マリンプラザ線326・8人▽御津線183・3人▽大東線111・5人▽荒島線61・2人―だった。県教育委員会によると、3市8校の県立高校で少なくとも71人の生徒が通学に利用しており、路線別はマリンプラザ線30人▽御津線22人▽大東線13人▽荒島線6人―。松江市立、市内の私立4校にも影響を受ける生徒がいる。