医師によるパワハラの調査結果を説明する広岡保明院長(左)=鳥取市東町1丁目、鳥取県庁
医師によるパワハラの調査結果を説明する広岡保明院長(左)=鳥取市東町1丁目、鳥取県庁

 鳥取県立中央病院(鳥取市江津)の救命救急センターの複数の医師からパワハラを受けたとして、県東部1市4町の救急搬送を担う県東部広域行政管理組合消防局が調査を求めていた問題で、同病院は1日、1人の医師について3件のパワハラがあったと明らかにした。パワハラの恐れがある言動も3件あった。

 広岡保明院長が記者会見して説明した。県病院局が事実確認し、必要に応じて処分を検討する。

 調査は、消防局から医師や消防関係者らでつくる東部地区メディカルコントロール協議会を通じて依頼があり、医師4人による計22件の言動を対象に実施。電話の録音やカメラ映像、聞き取りで事実関係を確認した。

 調査した結果、救急隊員が話している時にいきなり電話を切る行為2件と、「それって僕が助言しなきゃ、いけないことですか」「僕が言わなきゃ、ご判断できなかったことですかね」などと執拗(しつよう)に高圧的な口調で対応した行為1件が、パワハラに該当すると判断した。

 このほか、録音や録画がなく詳細な言動は確認できなかったが、消防局の報告と医師本人への聞き取りなどから、パワハラの恐れがある言動も3件あったとした。

 広岡院長は会見で「医師は熱血漢で救急救命士を指導したいとの思いがあっただろうが、行き過ぎた行為だった」と述べた。病院はこの日、消防局に調査結果を報告し謝罪したという。

 同病院救命救急センターを巡っては、救急隊員が医師の指示を受けて処置する「特定行為」の指示要請を一時拒否した問題が発覚。医師によるパワハラもあったとして消防局が病院側に調査を依頼した。(福間崇広)