昨年11月に79歳で死去した細田博之前衆院議長のお別れの会が11日、松江市学園南1丁目のくにびきメッセであった。地元支援者や政財界の代表が、離島や中山間地域の再生を期した議員立法を主導するなど功績をたたえ、在りし日をしのんだ。
自民党、党島根県連、細田博之後援会が主催。告別式には、額賀福志郎衆院議長、細田氏が所属していた党派閥・清和政策研究会出身の衆参両院議員、森喜朗元首相、島根県内の首長や県議、経済団体の代表ら約550人が参列した。
初当選した1990年の衆院選時から後援会長を続け、お別れの会実行委員長を務めた櫻井誠己氏は、昨年10月に細田氏と電話で話した際、政治活動の継続に強い意欲を持っていたと振り返り「島根への思い、過疎地域への思いを生涯にわたり強く持ってきた」と述べた。

弔辞では党総裁の岸田文雄首相がメッセージを寄せた。内閣官房長官や幹事長など要職を歴任して培った与野党の人脈を生かし、隠岐など有人国境離島の活性化や、人口減少地域での若者の定着を図った議員立法を主導した功績に触れ「最後まで心配されたのは島根の将来のこと。多くの過疎地域や離島を抱えることから全身全霊で活性化に取り組まれた」とたたえた。
また地元を代表して党島根県連副会長の青木一彦参院議員(鳥取・島根合区選挙区)が「島根県政界のキーマンを失った私たちは失意の中から立ち上がり、先生の目指した地方創生に一層まい進する」と誓った。
告別式に続き一般焼香があり、多くの支援者らが遺影を前に、手を合わせた。
(白築昂)