鳥取市立病院(鳥取市的場1丁目)で医師や看護師らの残業代に未払いがあったとして、鳥取労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが15日分かった。昨年3~6月に298人に対し、計約2107万円の未払いがあった。同10月までに全額を支払ったという。
病院によると勧告は昨年7月19日付。残業時間は職員の自己申告で把握していたが、労基署の定期調査(実地調査)で、病院が把握する時間と職員のパソコンの使用記録が合っていないとの指摘を受けた。
あらためて職員に聞き取りなどを実施した結果、医師が患者の治療法を検討するカンファレンス(会議)の時間や、看護師が患者のカルテを作成する時間などを残業時間として申告していないケースがあったという。
労働時間を客観的に把握するよう指導を受け、病院は、出退勤の時間が記録される勤怠管理システムを導入。労働時間として認める活動についても具体的な基準を設け、職員に周知した。松田真治事務局次長は「勧告を真摯(しんし)に受け止め、適切な労働時間の管理に努める」と話した。
(福間崇広)