第六章 来去来(四十六)

 貫(かん)緡(ざし)は銭一貫文をつないだ縄だ。それが三本。それに米と餅。

 ふいに目頭が熱くなって、寅蔵は土塀越しに屋敷に向かって叫んだ。

「...